技術紹介(橋梁)
鋼コンクリート合成床版の損傷検知システム『横波振動法』
鋼コンクリート合成床版の損傷検知システム 横波振動法
近年、合成構造や複合構造の活用が増えており、鋼材内部のコンクリート状態の把握する手法の確立は急務となっています。横波振動法は、鋼材部材表面から送信センサーを用いて低周波成分を含む0~20kHzの広帯域な音波を点接触により入力し横波を主成分とする音波として伝搬します。この鋼板部材に伝搬された音波を受信センサーで捉えることで対象とする鋼板裏面の空隙および滞水の有無を検知する手法です。
測定原理
鋼表面より送信センサーを用いて弾性波を入力します。底鋼板とコンクリートが付着した状態(健全部)は,コンクリートにより鋼材の振動が拘束されます。一方、損傷部が存在すれば拘束されず振動が増大することを測定波形の変化により確認します。本システムでは,測定波形変化とFFT解析を併用し損傷部の判定を行います。
特徴
- 超音波センサーと底鋼板間にグリースなどの接触媒体が不要です。点接触で測定できるため作業効率が向上します。
測定システムはコンパクトで現場持ち運びが容易です。その場でFFT解析まで実施可能です。
従来のたたき検査では異音が生じた場合、鋼板とコンクリートの付着切れ、耐久性に関わる空隙・滞水など損傷状態の判断が困難でした。本検査法を用いることにより、損傷状態(空隙・滞水の有無)を視覚的に確認・識別することが可能です。
横波振動法測定波形例
鋼表面より送信センサーを用いて弾性波を入力します。底鋼板とコンクリートが付着した状態(健全部)は,コンクリートにより鋼材の振動が拘束されます。一方、損傷部が存在すれば拘束されず振動が増大することを測定波形の変化により確認します。本システムでは,測定波形変化とFFT解析を併用し損傷部の判定を行います。
横波振動法は下記の企業様と共同で研究開発を実施しています
- 株式会社 駒井ハルテック
- 三協エンジニアリング株式会社