技術紹介(橋梁)
軽量コンクリートを用いた取替合成床版『SLaT-FaB床版』
特徴
~床版取替用プレキャスト高耐久軽量合成床版~
高速道路の大規模更新に伴う床版取替え工事向けに、軽量で高耐久なプレキャスト合成床版「SLaT-FaB床版」を清水建設株式会社と共同開発しました。
SLaT-FaB床版は既設床版と同等までの薄肉化が可能で、軽量化を実現しました。
薄くて軽い
床版厚180mmの薄肉化および、軽量コンクリート1種を用いることで従来のPC床版(ループ継手)と比較して約30%の軽量化を実現。
高耐久
膨張剤と収縮低減材によるひび割れに対する抵抗性の向上およびラテックス改質速硬コンクリート(LMFC)による接合部の高耐久化を実現
超コンパクト接合
接合部にTヘッド工法鉄筋を用いることで、従来の接合部の長さと比較して約1/2の超コンパクト化を実現。
構造
性能確認試験
SLaT-FaB床版は、道路橋床版として道路橋示方書に示される要求性能を満足することを各種性能確認試験により立証しており、場所打ち床版としても採用できます。
輪荷重走行試験
床版厚180mmおよび200mmの試験体を用いた走行回数52万回、最大荷重392kNの輪荷重走行試験を実施しました。
その結果、疲労破壊に至らず高い疲労耐久性を有することを確認しました。
版の静的曲げ試験
幅2m、長さ3.6m、床版厚180mmの試験体を用いた静的曲げ試験を実施し、設計荷重に対して十分な耐力を有することを確認しました。
合成桁の負曲げ試験
連続合成桁に採用した場合の中間支点部(負曲げ部)の性能について確認しました。
コンクリート充填確認試験
実物大試験体によるコンクリート充填確認試験を 実施し、施工性や狭隘部におけるコンクリートの充填性の確認をしました。
施工手順
工場製作
現場施工
適用先例
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既設桁を補強するケース
軽量性を活かし,当て板による既設桁の補強や外ケーブルによる補強の軽減が可能となります。
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半断面ずつ施工するケース
橋軸方向はボルトの接合と補強筋(フック筋)の設置のみとなり型枠が不要です。そのため、半断面施工における工期の短縮を図ることも可能です。
半断面施工イメージ
橋軸方向における接合部のイメージ