技術紹介(橋梁)

生産情報システム『SYMPHONY』

情報技術がもたらす、生産工程の一元管理

CIM(シム:コンピュータ・インテグレイテッド・マニュファクチャリングの略)と呼ばれる、コンピュータで総合的にコントロールする生産システムによって造られる橋梁と、従来の作業によって造られる橋梁とは基本的に変わりがありません。
しかし利点と可能性には格段の違いがあります。
製作するために必要な情報がすべて電子化されていれば、さまざまな機器をコントロールできるようになります。
溶接ロボットを連動させた生産の自動化など、インテリジェントな生産設備を整えるためにも要望されます。

造るべき部品の情報と実際に加工し造った部品の情報とを較べて、コンピュータ内で品質のチェックが行えるようになります。部品単体はもちろん部材や橋梁全体の品質を高度に維持することが可能となるでしょう。造った部材を工場ヤードで組み上げて確認していた『仮組立』も、仮組立シミュレーションとしてコンピュータ内でできるようになりました。バラツキのない高品質を達成するのに貢献しています。橋梁の寸法は、道路や鉄道の路線配置と山川など架かる場所の地形とによって決まってゆきます。部品の寸法や材質なども千差万別となります。こうした橋梁ごとに異なる情報をいかにスムーズにスピーディに作成できるかがCIMの鍵になります。それを可能にするのが、生産情報システムSYMPHONY(シンフォニー)です。

橋梁まるごとの情報は製品モデルと呼ばれ、製品全体の情報から細かい部品の情報までもが含まれます。形状をはじめ材質・溶接・塗装など、1橋まるごとのデジタルデータです。

多数の部品が複雑に組み合わされているものの、橋梁に使われる部品の形状は2次元的で比較的単純です。SYMPHONYでは、幾つかの部品を集めてユニット化します。このユニットをオブジェクトと呼び、3次元で表現された部材として、CAD上で組み上げてゆきます。2次元では表現することが困難な構造でも3次元で表現すれば一目瞭然です。CGのように立体映像を見ることができます。

設計と現場との架け橋

この形状デジタルデータをもとに、3次元CADを道具にして製品モデルを作成してゆきます。製品モデルのDTP(デスク・トップ・パブリッシング)です。橋梁に固有なキャンバーを付けたり、加工情報を発生させたりします。また製作現場からの速やかなフィードバックデータにより、リアルタイムの生産管理も電子化されるでしょう。

SYMPHONYとは、たくさんの橋梁部品の寸法とその配置を決める設計工程をもインテリジェント化する、製作にいたるまでのデジタル技術です。製品モデルを媒介とする情報の流れを達成するシステムです。GIS(地理情報システム)上への展開など、様々な場面への発展が予測されます。

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